俺がこんなに好きなのは、お前だけ。


だって私がいなければ、大志くんは迷わず美夜ちゃんのところへ飛んで行けるでしょう?



「大志は私のこともう嫌いになっちゃったかな……」

「……そんなことないと思います」

「え?」



本当の本当は、私が大志くんのことを幸せにしてあげたいって、そう思うんだよ。


だけど恋をして知ったの。
好きな人とは、ずっと一緒にいたいって、そう思うから。


顔が見れただけで幸せな片想いも、声が聞けるだけで地団駄を踏みそうになる片想いも、それだけで嬉しくて幸せだけど、違うの。


恋をした人なら、わかる。見ているだけでいい恋なんてない。


恋人になりたい。付き合いたい。特別になりたい。


同じ気持ちで手を繋いで、好きなところへデートして、キスをして、ハグをしたいの。


何気なく過ぎていく一秒一秒が、となりに好きな人の笑顔があるだけで、宝物になる。


好きな人が苦しんでいると、私も苦しくなったし、曇った笑顔を見ると、どうにかその笑顔を輝かせてあげたいと思った。


だけど、それは、私だけじゃない。


きっと、大志くんだって、そう思うはず。


好きな人と、恋人に、なりたいよね?


私は、好きな人の幸せを願える女の子でありたいんだよ。



***



< 125 / 143 >

この作品をシェア

pagetop