俺がこんなに好きなのは、お前だけ。


「でもなんて話せばいいの?」

「そんなの、なんでもいいのよ」



なんてもいいって……その返答、一番困るやつ。


うだうだ考え込んでいると、痺れを切らしたらしい結衣羽が「あー、もうっ」と私の腕を掴んで引っ張って歩いた。


そして手を離したかと思うと、背中を最後にドン!と押されて、気づけば大志くんの目の前までやってきていた。


大志くんと話していたクラスメイトのキョトンとした顔と、大志くんの驚いた顔に、顔から溶岩が噴火してしまうんじゃないかと思うほどいっきに熱が顔面に集中した。


親友さん、やってくれましたわ……。



「どうしたの?」



首を可愛らしく傾けた大志くんが、クラスメイトに向けるのと同じスマイルを顔にはっつけている。


声のトーンも、ふたりきりのときよりも遥かに高く、爽やかさがにじんでいる。


ど、どうしよう、この状況。



「さ、さようなら……!」



勢いよく頭を下げて走って教室を飛び出した。
咄嗟に出たこの台詞にはさすがに自分でも"はい?"と思った。


一瞬だけ見えた大志くんも、その周りにいるクラスメイトもまさにそんな顔をしていた。



「え、ちょ、ももか!?」



そして、結衣羽も驚いたように声を上げていた。
恥ずかしくて、穴があったら入りたい。隠れたい。無理。


もう、まともに会えない。


昇降口まで駆け足で走り抜けて、うわぐつからローファーに秒で履き替えた。
そして以前大志くんが女の子から告白されていた、校舎横の大きな木の下まで向かった。



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