俺がこんなに好きなのは、お前だけ。


だって私たちは所詮"同じ学校に通うクラスメイト"だ。
夏休みで学校に来なくなれば、夏休みが終わるまで会えない。


連絡先は知っているけれど、会う理由をつけられない。


会いたいとか、声が聞きたいとか、どこかに一緒に行きたいとか、そんなの全部本音だけど、伝えられるわけがない。


好きだって、バレたら終わりだ。絶対に勘づかれたくない。


恥ずかしくて火をふくし、きっと目も合わせられなくなる。そんなの、本位じゃない。


それに、なにより……。


──「お前は俺のこと、好きになんな」


あの言葉が、ずっと忘れられない。いつも、いつのときも、頭の片隅にあって離れないのだ。
大志くんのためにも絶対に隠し通さなきゃ。絶対に。



***



そして待ちに待った夏休みがやってきた。
全校集会が行われたあと、すこし長めのホームルームが行われて、午前だけで学校を後にすることができた。



「じゃあ連絡するねー!」

「ばいばーい」



花火大会へ一緒に行く子たちに手を振って、私は結衣羽とともに教室を出ようと準備を始めた。花火大会が開催されるのは明後日だ。


大志くんと偶然会ったりしないかな。なんて往生際の悪いことばかりを考えてしまう。


視界の端で捉えている彼に切なく胸がしぼんでいたとき、「話してこないでいいの?」と結衣羽が尋ねてきた。


なんでこう、親友っていうのは私の気持ちを察知するのが上手いんだろう?



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