紫陽花傘
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私は雨の日が嫌い。

いや正確に言うと雨の日が嫌いだったというのが今となっては正しいのかな…


幼い頃雨の日が憂鬱で仕方なかった

傘をさすのも濡れるのも嫌いだった

でも、そんなのを変えてくれた不思議な男の子


雨の日にお母さんに頼まれて買い物に行くことになった。

雨の日なんかに外に出たくないのに料理をしていて手が離せないお母さんが無理やり買い物を頼んできた。

ただその日は少しだけ違っていた。

雨が嫌いな私のためにお母さんがスカイブルー色のレインコートを買ってくれていたから…

買ってもらってから晴天続きでやっと着れたレインコート

少しだけ足取り軽く外に出た。

外は静かに雨が降っていた。

少し歩き近所の公園を横目で見た。

誰かに見てもらいたかったけど流石に雨の中遊んでいる子供なんて…

いた。

うすい赤紫色の

傘をさした男の子が公園の真ん中に立っていた。

こんな雨の中公園にいる男の子に引かれたが買い物を頼まれている手前そのまま商店街へと足を止めずに進んでいった。

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