紫陽花傘
「着いたよ」

少し歩いて男の子が静かに言った。

「え?なに??」

男の子の服の裾から手を離し男の子の視線の先を見上げた。

「おぉぉぉぉ」

「綺麗でしょ?」

目の前に広がる色とりどりの紫陽花。

雨の雫でキラキラして宝石みたいに光っていた。

「雨の日の紫陽花綺麗でしょ?」

「うん!!綺麗だね!雨の日の紫陽花って素敵だね。」

「やっと笑ったね。」

お日様みたいな笑顔で笑う男の子。

「きみのおかげで雨の日も悪くないなって思えた!」

「君じゃないよ。僕はひなた。君は?」

「あおい。」

「今日あおいに会えてよかった。今日で引っ越しちゃうから最後に外に出てきたのに雨だったから誰にも会えないと思ってたから」

「え、ひなたにもう会えないの?」

「またいつかこっちに戻ってくるよ」

「その時また一緒に紫陽花見れたらいいね。」

「そうだね。雨の日またここで紫陽花を見よう」
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