桜恋華

試練

「おいっしー!!
なんだか久しぶりにこんなおいしいの食べた気がします!」


「いえいえ、台所にあったものの寄せ集めですよ。私、こちらにきてからずっと男所帯なもので…」


すみません、と苦笑いを零す沖田さん。


にしても、沖田さん料理、うますぎ!男の人ってこと疑っちゃうし!
いいお嫁さんになるぞ!うん!(まだ言うか!)





ガラッ…





「おー、お前今日は非番か?」


「あっ、永倉さん!お帰りなさい。二番隊巡回終わったんですね!」


「まァな!
っと、このお嬢ちゃんは?まさかコレ?なぁなぁ総司!」



永倉さんは、小指を立てて沖田さんに詰め寄った。



「いえいえ、違いますよ〜近くであったんです♪ね!架さん。」


「あっ、はい!藍染架です!」



あたしがそう答えると永倉さんはつまらなそうに口を尖らせた。


「ふ〜ん。そっか!
俺は永倉新八!一応二番隊隊長やってんの!よろしくねん♪

なぁんでぃ!せっかく総司が、屯所に女の子連れ込んでいちゃついてるーっつって土方さんに報告しようと思ったのに〜!つまんね〜!」


「あははは!私はそんなことしませんよ!永倉さんとちがって!笑」


「なっ!総司お前〜!」



顔を真っ赤にしてプリプリ怒る永倉さんをおちょくる沖田さん。心底楽しそうだ。
そんなほほえましい光景を見ていると、重大なことに気がついた!



ブタさんは!?


ちょっと心配になって回りを見渡すと、




いた。
すっかり沖田さんに懐いて付いて回ってる、あの猫っかぶりトンカツめ!(え。)



「っとに暢気なやつだな。総司は。
あ!いっけね!忘れるとこだった!土方さんが探してたぜ?」




ツカツカ…




「お?噂をすれば…」
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