アスカラール
「それが俺もよくわからないんだよ。
これと言った心当たりが何にも思い浮かばない」
成孔はどうしたもんじゃろかと言うように腕を組んだ。
「ふーん」
和香は返事をすると、コップに口をつけた。
こうして兄妹水入らずの時間を過ごすのは久しぶりだ。
ファッションデザイナーとして世界中を飛び回っている妹が日本に帰ってくるのは、年に2回ほどである。
日本に帰ると彼女は決まって自分の家を訪ねてきてはホテルのように利用している。
「ホテルだと高いもん。
それに日本にいるのは7日とか10日くらいなんだし、それくらいいいじゃない」
毎度のことながら妹に論破される自分が情けない。
正直なことを言うと、美都には情けない自分の姿を見せたくないと思っている。
これと言った心当たりが何にも思い浮かばない」
成孔はどうしたもんじゃろかと言うように腕を組んだ。
「ふーん」
和香は返事をすると、コップに口をつけた。
こうして兄妹水入らずの時間を過ごすのは久しぶりだ。
ファッションデザイナーとして世界中を飛び回っている妹が日本に帰ってくるのは、年に2回ほどである。
日本に帰ると彼女は決まって自分の家を訪ねてきてはホテルのように利用している。
「ホテルだと高いもん。
それに日本にいるのは7日とか10日くらいなんだし、それくらいいいじゃない」
毎度のことながら妹に論破される自分が情けない。
正直なことを言うと、美都には情けない自分の姿を見せたくないと思っている。