私の幸せは死ぬことでした。
プロローグ
「今日未明、○○県✕✕市で17歳の男子生徒が学校の屋上から飛び降り、意識不明の重体で病院に搬送されましたが、今朝6時半頃死亡が確認されました。」
私はつけていたテレビを消し、腕時計をつけ家を出た。
家を出ると楽しそうに学校に行く小中学生や、携帯をずっと触ってる高校生、スーツをきたサラリーマンなど、いろんな人達が歩いている。
そんな人達の間をすり抜けながらも、私は学校へ向かう。
学校に着けば、友達と笑い合う人や、本を読んでいる人、勉強をしている人など、外とは違ういろんな人達がいる。
そしてなんとなく時間が過ぎていき
学校から帰る頃には、部活を頑張る人、汗を拭きながら歩くサラリーマン、手を繋いで買い物する親子など、今朝とはまた違う人達が歩いている。
こんな様々な人達で成り立っているこの世界。
その世界で私の居場所はない。
ただ学校へ行き、放課後はただ働いて、ただ勉強して、ただ寝る。
そうやって、全く意味の無い私の日常が終わる。
私の世界は真っ暗で、この世界と同じくらいちっぽけな世界。
誰かに支えられているわけでもない。
誰かに愛されているわけでもない。
そんな世界。
笑い方も泣き方も、怒り方も何も知らない。
好きとか、愛とか情とかさえなにも知らないまま、私は生きている。
私にとってはそれが普通で当たり前。
私は生きているようで生きていない。
そしてまた、一夜が明けると同じ日常が幕を開ける。
はずだった…