Black Cherry ~にゃんこな彼女は一筋縄では捕まらない~

そう答えた私に、啓輔さんはニッコリ頬笑みを浮かべて言う。


「菜々子にしか出来なくて、菜々子じゃないとダメなんだ」


そう言ったあと、啓輔さんはポケットから小さな箱を出す。

そして蓋を開けて見せられたのは、私の好みの小粒のダイヤがキラリと光るエンゲージリング。


「俺の願いごとは、菜々子が俺の奥さんになってくれること。菜々子、この先の菜々子と人生を共に歩む権利を俺にくれないか?俺と結婚してほしい」


飾らないシンプルな願い事。
愛する人にこの先の全てを求められる…
こんなに嬉しいことは無い。

そして、実は私も言わなければいけないことがある。


「はい、お受けします。ただ、啓輔さんに言わなきゃいけないことがあるの……」


そんな私に啓輔さんは目を開きつつ、手を握って笑顔を見せてくれる。


「菜々子、なに?」


「これから先の人生を歩むのは、私とだけじゃないわ。家族が増えてもいいかしら?」

その私の問い掛けに、見るみるその顔に驚きが広がっていく。


「え?菜々子、もしかして……」

「ふふ、ごめんね。私不順だからなかなか気付かなくて。今三ヶ月で10週だって」

そう答えると、フワッと優しく抱きしめてくれた。


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