身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

「そうか、ならば教会でこのまま教師になればいい」

 ところが私の一大決心にブロードさんが、あまりにも軽く返すものだから、なんだか肩透かしを食らった気分だった。

「そ、そんな簡単にですか!?」

 ガックリと肩を落としてみせる私に、ブロードさんは首を傾げてみせた。

「どうしてだ? 俺の目から見ても、レーナは教師にとても向いてる。ならばその道を、究めたらいい」

 ブロードさんの続く言葉に驚かされ、言葉をなくした。

「あぁ、そうだ。ちなみに教会で正式に教えるなら、指導日数と時間、指導要項を証書に認めて提出し、申請が通れば僅かだが国から給金も支給される。子供達の未来を育む、なんとも遣り甲斐のある、立派な仕事だな」

 ……目の前に、未来が拓けてゆく。

 ブロードさんの手が、まるで魔法みたいに、明るい方、明るい方、私を導いて連れてゆく。

 ブロードさんが、私に新しい世界を臨ませる。

「どうかしたか?」

 黙り込んだ私に、ブロードさんが怪訝そうに問いかける。



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