ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「現実を見ろ、光輝。
帰ってくるわけないだろ」
ボキボキッ。
「ヴァッ!!!」
床に顔を押し付けられ、父さんは俺の太ももの上に勢いよく乗っかった。
自分の数倍以上ある体重を押し付けられ、両方の足の太ももの骨が折れたような気味悪い音が聞こえてきた。
「……なぁ光輝、これからは俺がお前を養うハメになったな。あの母親は無駄に責任感は強いから、生活費くらい貯金からお前に渡してくるだろうが、せいぜいもうそれくらいしてこないだろうな。
……なんで俺が、お前みたいな暴力を振るわないと俺の命令にも従わないようなガキを養わなきゃいけないんだ?」
ガン、ガン!
髪を掴み、父さんは俺の顔を首ごと上にあげた。そして、勢いよく俺の顔を床に振り落とした。
「グッ、……ごっ、ごめんなさい」
最初に鼻血が流れ、次には頬や顎や目の周りや唇が床に顔を押し付けられ、次々と切れていった。
余りの痛みに、意識が遠のいていく。
俺は死ぬのか……?
「この出来損ないが!!」
「グッ!! ……ごめん、……なさい」
身体中が痛くて、呂律もろくに回らない中、俺にはただ怯えて謝る事しか出来なかった。
その日母さんは、本当に家に帰ってこなかった。