絶対命令アプリ
今にも倒れてしまいそうだ。


「1人に押し付けるなんて、卑怯だぞ」


雅弘はクラス全員へ向けてそう言った。


「貴美子はみんなの事を心配して先生に伝えに行ってくれたんだ。裏切者じゃない!」


雅弘の力強い声に胸の奥がジンッと熱くなる。


このクラス内にも、あたしの味方はまだいたんだ。


「それならお前が少し引き受けろよ」


颯樹が雅弘を睨み付けてそう言った。


途端に雅弘のスマホから電子音が聞こえて来た。


「雅弘、まさかアプリが……?」


雅弘は青ざめた顔で「昨日、紹介通知が届いた」と、答えた。


「そんな……」


雅弘まで巻き込まれるなんて。
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