絶対命令アプリ
タオルで傷口を丹念にふくと、ようやくいつもの自分を取り戻す。


奴隷たちもみんなこんな感じなんだろうか。


我を失うほどに相手を憎いと感じているのだろうか。


服を着て髪を乾かすと随分気持ちを落ち着いていた。


それと同時に歩へ向けた命令が蘇って来る。


ツバサを殺して。


あたしは確かにそう命令した。


その瞬間、全身に寒気が走った。


歩は間違いなくあたしの命令に従うだろう。
< 288 / 367 >

この作品をシェア

pagetop