絶対命令アプリ
その姿はまるで次の命令を待っている奴隷のように見えた。


「颯樹、どういうこと?」


「ん? まぁ、少しは?」


そう言って笑う颯樹。


少しは。


少しは博を奴隷として扱ってもいいだろ。


そういう意味なんだろうか。


あたしは自分の心がひどくざらつくのを感じた。


黒い感情がどこからともなく、あたしの体全体を包み込んでいく。


「どうしてそんなことするの?」


あたしは自分の声が大きくなってしまわないように注意して、そう言った。


「どうしてって? ただのゲームだろ」

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