"鬼"上司と仮想現実の恋
「はい。」

ほんとは、もう少し一緒にいたかったけど、遅くなって悠貴さんの心象が悪くなるのは避けたかった。

午後6時。

悠貴さんは、私を家に送り届けてくれた。

「明日は、友達と会うんだよな?」

「うん。」

「じゃあ、明後日、また迎えに来るから。」

私たちが玄関で立ち話をしていると、母が出てきた。

「佐久間さんでしたよね?
わざわざ送っていただいて、ありがとう
ございました。
よろしければ、一緒にお夕食、いかがですか?」

「ありがとうございます。
せっかくですが、久しぶりの家族団らんを
お邪魔するわけにはいきませんから、またの
機会にお願いします。」

悠貴さんは、また極上の営業スマイルを見せる。

「そんな事をおっしゃらずに。
この子の妹たちも会いたがってますから。」

「げ!!」

思わず、本音が口からこぼれた。
< 201 / 407 >

この作品をシェア

pagetop