"鬼"上司と仮想現実の恋
プルル…

私の席の内線が鳴った。

「はい、システム開発課、瀬名です。」

『佐久間だ。今、第1会議室に来れるか?』

「はい、大丈夫です。
今、伺います。」

はぁ………

私は大きなため息をひとつついて、立ち上がった。

コンコン

ノックをして、

「失礼します。」

と会議室に入る。

中では、部長が書類を広げて仕事をしていた。

「体調は大丈夫か?」

部長は、視線だけ上げて言った。

「はい。昨日は送ってくださったそうで、
ありがとうございました。」

ふっ
部長は、小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
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