"鬼"上司と仮想現実の恋
「そうか、娘ができるのか。」

社長は感慨深そうな穏やかな笑みをこぼした。

「暁里さん、悠貴をお願いしますね。」

社長に言われて、私は、

「はい!
こちらこそ、よろしくお願いします。」

と答えた。

認めてもらえたのかな?

だったら、嬉しいな…

「じゃあ、父さん、もういいだろ?
暁里、行くぞ。」

悠貴さんは、私の手を取って立ち上がり、社長室を後にした。


・:*:・:・:・:*:・

エレベーターの中で、私は聞いた。

「悠貴さんと社長って、いつもあんな喧嘩腰
なの?」

「いつもってわけじゃないけど、あの人、
プライベートだと突然子供になるから…」

悠貴さんは、ばつが悪そうに照れ笑いした。
< 271 / 407 >

この作品をシェア

pagetop