"鬼"上司と仮想現実の恋
「あの〜、
イチャイチャは、帰ってからにして
もらえませんか。
独り者には、目の毒なんで。」

田中君が言った。

「無理!
暁里なしでおっさんの接待して来たんだ。
もう、電池切れ。」

そう言うと、悠貴さんは当然のように私の肩を抱く。

「はぁ………」

田中君は、諦めてため息をついた。

「あ、そうだ!」

私は思い出して、悠貴さんの顔を見上げた。

「部長、SEの補充、どうなってます?
私が頑張るせいで、開発課が回らないって
苦情言われちゃいましたよ。」

「くくっ
うん、SEが足りてないのは、知ってる。
今、募集はかけてるよ。」

「今度は、男漁りも女漁りもしない人を採用
してくださいね。」

「んー、そうしたいけど、それを10分の
面接で見極めるのは難しいからなぁ。」
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