"鬼"上司と仮想現実の恋
「ふふっ
部長とか? 田中君とか?」

「そうそう。」

部長が笑うので、私もつられて笑ってしまった。

その後、ワインを3杯程飲んだ私は、やっぱり見事に酔っ払い、部長に抱えられて店を後にした。

大通りでタクシーを拾った部長は、私のマンションまで送ってきてくれた。

「部屋に送り届けてきますから、少し待ってて
ください。」

部長は、そう言って私を部屋まで連れてきてくれた。

鍵を開けて、私をベッドに座らせると、水を持ってきて渡してくれるが、もうそれを飲む気力もない。

私はそのままパタンと横になった。

「瀬名、水飲まないと、明日二日酔いで辛いぞ。
ほら。」

部長が何をしても私は起きない。

無理矢理、抱き起こされて、それでも寝ていると、唇に温かい感触があり、水が流れ込んできた。

え!?

それが3回程続いた後、私は再びベッドに寝かされ、今度は額に柔らかな感触を感じた後、
「おやすみ、暁里」
という優しい声を聞いた…気がした。

夢? かな?
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