艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
一度更衣室に寄って私服に着替えて、その間待っていてくれた葛城さんとすぐに合流した。
そして今、目の前では丸いお好み焼きがじゅうじゅうと美味しそうな音を立てている。
ここは、私の馴染みのお店だ。職場の他の販売員と仕事帰りに寄ったり、友達と来ることもある。
従業員さんにこちらから頼まない限りは、客が焼くのが基本のお店だ。
大きなへらでお好み焼きを少し持ち上げ、焼き加減を確認するとえいっとひっくり返した。表も裏も、いい具合に焼き色がついている。
「それでね、さっきの販売員さん、すごく接客にも慣れてるしあの百貨店も経験がある方なので、引継ぎも順調で」
「それは良かった。いつ頃退職?」
「でも、一応研修期間は居てくれって言われて、後二週間ってとこです。あ、ソース取ってください」
興味深げに私の手元を見ていた葛城さんに、テーブルの隅にある銀色のソースの器を指差して言った。
「俺が塗っていい?」
どうやら葛城さんは自分で焼くタイプのお好み焼き屋は初めてだったらしい。
ちょっと楽しそうだ。
そして今、目の前では丸いお好み焼きがじゅうじゅうと美味しそうな音を立てている。
ここは、私の馴染みのお店だ。職場の他の販売員と仕事帰りに寄ったり、友達と来ることもある。
従業員さんにこちらから頼まない限りは、客が焼くのが基本のお店だ。
大きなへらでお好み焼きを少し持ち上げ、焼き加減を確認するとえいっとひっくり返した。表も裏も、いい具合に焼き色がついている。
「それでね、さっきの販売員さん、すごく接客にも慣れてるしあの百貨店も経験がある方なので、引継ぎも順調で」
「それは良かった。いつ頃退職?」
「でも、一応研修期間は居てくれって言われて、後二週間ってとこです。あ、ソース取ってください」
興味深げに私の手元を見ていた葛城さんに、テーブルの隅にある銀色のソースの器を指差して言った。
「俺が塗っていい?」
どうやら葛城さんは自分で焼くタイプのお好み焼き屋は初めてだったらしい。
ちょっと楽しそうだ。