艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
花月庵を抱き込んだことすべてがマイナスとまでは言わないが、それら全部、彼に予測がつかなかったとは思えない。
「マイナスなんて思ったことはないけどな。俺はお陰で花月庵の技術と顧客と」
「また、そうやって……」
「可愛い妻が手に入る。前にもそう言ったよ」
驚いて、隣に座る彼を凝視する。
確かに、そう言われた。
でも、あんなの、私をからかっただけなのだと思っていたし、彼自身そう取られても仕方ない言い方をした気がする。
「最初から俺は、嘘はついてない。君が欲しかった」
けれど今、同じセリフを言った彼からはからかいの色は少しも滲まない。
まっすぐ私を見た目は、とても真摯なものだった。
「マイナスなんて思ったことはないけどな。俺はお陰で花月庵の技術と顧客と」
「また、そうやって……」
「可愛い妻が手に入る。前にもそう言ったよ」
驚いて、隣に座る彼を凝視する。
確かに、そう言われた。
でも、あんなの、私をからかっただけなのだと思っていたし、彼自身そう取られても仕方ない言い方をした気がする。
「最初から俺は、嘘はついてない。君が欲しかった」
けれど今、同じセリフを言った彼からはからかいの色は少しも滲まない。
まっすぐ私を見た目は、とても真摯なものだった。