艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

「……関西か。神戸に行く?」

「いいんですか?」

「ついでに俺の実家に行こう。両親に紹介するよ」

「え」


楽しい旅行の計画、のはずが、急速に緊張感漂うものになり、頬が強張った。


「ちょっと待って、いきなりですか? 心の準備が」

「そんな緊張するような親じゃないよ。旅行のついで」

「えええ、そっちがついでって」


ご両親に初めて挨拶するのに、気後れしない人がいるだろうか。
そういえば、今目の前の人がまさにそういうタイプだ。それどころか買収して乗り込んできたんだから、次元が違う。


いつかはしないといけないことなのだが、急すぎてついていけない。
できればやっぱり関西以外の場所に……と、他の地域の天気予報を見ようとしたが、葛城さんによってスマホは回収されてしまった。


ベッドサイドにそれを戻して、ぎしりとベッドを軋ませる。
私に覆いかぶさると、瞼に軽くキスをして額を合わせた。
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