艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「保証人のところに、名前を書いてもらわないといけないしね」
「あ……」
婚姻届けの保証人に、もうひとり名前がいる。
確かに、葛城さんのお父さんに書いてもらうのが一番いいだろう。
「最後に、藍が書いて」
「はい……」
素直にそう返事をして、口元が綻ぶ。
結婚するのだと、実感が沸いてきて胸が温かくなった。
葛城さんの目も、優しく細められ、話しながら私の唇をついばんでいた。
「式は、どうしようか」
「したいけど……準備がかかりますね」
式ができるようになるのを待つよりは、早く結婚したかった。