艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

優しい言葉が胸に苦しくて、一瞬言葉に詰まってしまった。


「……移っても、そんなにすぐにはわからないですよ」

「そうか……なんともないといいけど」

「きっと大丈夫ですけどね、身体は頑丈なんです。でも今日はあったかいおうどんにしときましょう。夏なのに食べにくいですか?」

「全然。卵入れて」


可愛らしい注文に、ふっと心が和む。
だけど、彼の電話を聞いている間に固めた決意は変わらない。


――私なら、納得したフリをして探り入れるかも。


恋愛ホットラインの助言が頭に浮かび、涙が出そうになった。たとえどんな出会い方だって、探ったり探られたり、そんな関係にはなりたくなかったのに。


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