艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
周りの人。
そう聞かれても、元々葛城さんの知り合いを私はまだ把握できていない。
ご両親と、幼馴染で同級生の御手洗さんと……。
「あ」
思い出して、クローゼットに仕舞ってあるバッグの中から手帳を取り出す。
関西で会った、葛城さんの大学の先輩だと言ってた人から名刺をもらっていた。
「あった……朝比奈さん」
老舗洋菓子メーカーの後継者だと言っていた。関西にはあの日出張で、いつもは関東の本社にいるとも。
といっても、いただいた名刺は当然会社のものだしいきなり連絡なんてことはできないが、いつか必要になる時がくるかもしれないと、大切に手帳のカバーの内側に入れておく。