艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

何せよ、葛城さんの妻になるならこれから名刺を預かる機会も多くなる。きちんと整理できるよう名刺用のファイルを買おう。


手帳をバッグの中に戻すとき、一緒に入っていた白い封筒が目に入った。
婚姻届けだ。私の欄も、もうすでに書いてある。


お盆が過ぎて夏が終わったら、一緒に出しに行こうと葛城さんと話していた。


……ちゃんと出せるよね。


手を伸ばそうとしたとき、玄関のドアが開く音がして顔を上げる。
葛城さんが帰ってきたのだ。


「おかえりなさい!」


あれからなぜか、葛城さんの帰宅がとても早い。
玄関まで迎えに出ると、お決まりのただいまのキスを交わす。


生活だけはすっかり新婚さんで、黙って従っていれば多分私はとても幸せだ。御手洗さんのことも、落ち着いて考えれば私が心配するようなことはやっぱり何もないんじゃないかと思う。
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