艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「いずれ、子供の手が離れてって頃になれば、ふたりでやってくのもいいね」
「え? 子供?」
「俺は早く欲しいと思ってるから。君に似たらとても可愛い」
ぽかん、と見上げる私のその唇を彼は啄む。
「いってきます。今夜は外で食事しようか。たまにはデートしよう」と言って玄関を出て行った。
暫く呆けていた私だったが、言われた言葉の意味を理解してその場にへたり込む。
「こ、子供って」
そうか。葛城さんは早く欲しいと思っているのか。
私もそりゃ、いずれは欲しいと思うけれども。両手で頬を触ったら、ものすごく熱かった。