艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
番外編:手のひらに、幸せ

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『意味もなく、気分が沈み込んでしまう』


いつものグループチャットに送信した途端、ぱらぱらと返事が入り始める。
一時間もすると全員が会話に参加して、心配してくれたりわざと明るく茶化してくれたりした。

『妊娠すると、精神的にも色々不安定なるって言うよねえ。やっぱそうなのかな』
『初めての妊娠なんてその事象だけで不安要素たっぷりだもんね。それにしてもまさか藍ちゃんがさー』
『ねー。まさかうちらの中で一番に結婚した挙句に、もう妊娠しちゃってんだもんね、いち早くママとか』
『ぽかーん、だよね』
『結婚式、旦那さんすごく優しそうだったし心配ないと思うけどなあ。白無垢綺麗だった。私も和装がいいなー』
『相手いんの?』
『うっせー』
『で、藍、大丈夫? あんまり考えこまない方がいいよ』
『大丈夫?』
『だいじょうぶ?』


皆は相変わらず、面白がってみたりからかってきたり色々だけど、結局いつも私のことを心配してくれているのはよくわかっている。


今回も、ついぽろりと零した不安に、皆が反応してくれたのだが。
こればっかりは、みんなよりも私が先に経験してしまうことだから、具体的な解決案が出てくるよりも、ただ心配をかけてしまった。


『大丈夫! ありがとう』


そう返したものの。
寂しさは、まぎれそうもない。

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