艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「……か……け、圭さんって」
「うん?」
「……なんか、エロ親父みたいだった」
ぼそ、と呟くと、彼が笑顔のまま、ぴきっと固まる。
私はその隙にそそくさと彼の膝の上から降りた。
何かを踏んづけて足元を見れば、脱がされた下着が目に入る。
あああああ!
こんなところにお行儀悪く脱ぎ捨てられていることにも気づかなかったことが、散々乱された証拠のように思えて、慌ててそれを拾い上げた。
「シャワーいってきますっ」
「あ、藍っ……」
うあああん!
もうやだ恥ずかしい!
そのまま浴室まで小走りで逃げた。
意地悪言われるのもちょっと、気持ちよかった、なんて。
明日から、私は本当の奥さんになるのだけれど。
恥ずかしくて、そんなこと一生言えない。
砂糖菓子の夜2
END