艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

『俺と君は政略結婚になるけれど。だからといって、関係をおざなりにするつもりはない』

『花月庵のことは、君にも協力して欲しいことがあるし、ちゃんと話すよ。だけどまずは俺を知ってもらいたい』


これは政略結婚だ、と彼は明言して躊躇わない。だけど、私との関係も、ちゃんと真剣に考えている、ということだろうか。
きちんと互いを知り合い、尊重しあえるように。……愛し合えるように?


かさ、と指に触れた紙の端をつまみ、顔を上げた。改めて筆で書かれた彼のプロフィールに、一番端から目を通す。


「……改めて、完璧」


そこから窺い知れる彼のステイタスは、どこの令嬢にあてたものでも申し分ない内容だろう。そして見た目はあの通り、誰もが振り向く麗しさがある。

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