借金取りに捕らわれて 2
「あー、待ってます。程々に…」


「程々ってなんだよ。」


秋庭さんは、小さく吹き出して笑った。


「そこは、可愛く待ってますって、言うところだろ。」


「仕事の邪魔にはなりたくないので…」


ごにょごにょ喋る私に、軽い溜め息が落とされる。


「ヒロは、俺に会いたくないのか?」


「………会いたい、ですけど…」


秋庭さんは、なおもごにょごにょ喋る私のうなじに手を回し、引き寄せると軽くキスをして抱き締めた。



「ヒロが、仕事の邪魔になるわけないだろ。
寧ろ、仕事をするためのエネルギー源、かな?
頻繁に供給しないと、俺死ぬから。
だから、ヒロ不足で俺を死なせないでくれ。」



秋庭さん大袈裟だなー、と思いつつも、確実に赤くなっているであろう自分の顔を隠すように、私は秋庭さんの腕の中で頷いた。



「…善処します。」



最後に、額にキスを落とし、秋庭さんは仕事へと向かった。






あー、朝から甘すぎる。

強引に迫ってくるくせに、時々ああやって甘いことを言うから…

達が悪い。




なんだか、流されてる感じもして…

私、これでいいのかな?




私は考えても埒が明かない無駄な悩みを頭に抱え、シャワーを浴びにお風呂場へと向かった。




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