借金取りに捕らわれて 2
「えっ?お礼のキスだけど。」


キスって///////

まるで、それが当然であるかのように言ったよね!?
最近の若い子は皆こうなの!?


「結構です!」


「遠慮しなくてもいいのに。」


微笑みを浮かべた彼には、とんでもないことを言っているのに全く悪気がないのだろう。


「してません!それよりも起きたなら早く帰ってもらえますか。」


自分で入れといてなんだけど、急いだ方がいい。

こんな朝早く秋庭さんは来ないと思うんだけど…
万が一見られたら大変なことになる…私が!


「そうですよね。色々迷惑掛けちゃってごめんなさい。」


彼が立ち上がりかけたとき…


「あっ、大丈夫ですか!?」


彼の体がふらふらっとふらつき、へたり込んでしまった。


まさか貧血!?


「あー、ごめんなさい。お腹空いちゃって…」


彼はタイミングよくグウ~となったお腹を押さえ、エヘヘと笑った。



空腹って…

外で寝るわ、お腹空かせてるわ…
まったくこの子は…


私は一つ溜め息を落とした。

それは彼に対してでもあり、弱ってる人を放っとけない私の性格に対してでもある。


「しょうがない…良かったら、朝ごはん食べて行きますか?」


「えっ!良いんですか!?」

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