借金取りに捕らわれて 2
そんなことを考えならバスを降り、日が落ちた大通りを歩いているとある一軒のお店に目が止まった。


そのお店は、アパートへ向かう曲がり角にあって、ずっと空テナントになっていたのだが…


中から暖かい光が漏れ、道に面した壁沿いにはお祝いようのお花が飾られていた。


お店、入ったんだー


白く塗り直された壁は異国を思わせ、入り口には陶器で出来た大きいドーベルマンと子犬のセントバーナードが門番をしている。

そして、入り口の上には『Tea party』と書かれた看板。


Tea party?
何屋さんなのかな?


可愛いらしい窓からそれとなく中を覗いてみると、長いショーケースの中には、キラキラ輝く色とりどりのケーキが並んでいた。



わあー!美味しそー


あっ、あのケーキ可愛いー


そのケーキは真っ赤なドーム型で、表面に同じく赤い線でバラの絵が描いてあった。


しかも、そのケーキの乗ったお皿は緑色で、バラの葉っぱが一枚着いているようなデザインになっている。


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