借金取りに捕らわれて 2
細部まで凄く考えられてるなー

食べるのが勿体無い。

でも、美味しそうー


見ているだけで、口の中に唾液が溢れてくる。


あー、ダメダメ!
ケーキ買ってるお金なんてないんだから!
借金返し終わるまでは我慢我慢!


このままだとお店に入ってしまいそうで、無理矢理視線を外しこれ以上ケーキのことは考えまいと足早にその場を離れた。


ケーキ屋さんからは離れはしたが、やはりあの美味しそうなケーキは忘れられない。


このままでは、会社の行き帰りにあのお店を見る度に思い出してしまう。


暫く道変えようかな。



アパートの階段を登りながらそんなことを考えていると、最後の段を踏んだところで隣の部屋のドアが開き、白い箱を手に持った雪斗君が出てきた。


「ヒロさん、お帰りなさい。」


< 77 / 137 >

この作品をシェア

pagetop