借金取りに捕らわれて 2
お世辞だと分かっていながらも、誉められて嬉しくないわけはなく…
ちょっと照れてしまう…
しかも、こんなに喜んでくれると作ったかいがあるよね。



「あ、ありがとう…お代わりもあるから遠慮しないで食べてね。」


「はい!じゃあ、ご飯お代わりお願いしてもいいですか?」



差し出されたお茶碗を受け取り、炊飯器からご飯をよそっていると不意にチャイムがなった。


壁に掛けてある時計を見れば7時15分。


なんだか嫌な予感がする…



「ヒロさん俺出ますよ!」


お茶碗としゃもじで両手が塞がっている私を気遣って、雪斗君が玄関へ急いだ。


「あっ、待って!私がー」


と、止める間もなく玄関を開けてしまった雪斗君の肩越しに、今会ってはいけない人が立っていた。



「ああ………」



私はその場に固まった。




表情はいつも通りに見えるけど…
凄く怒っていらっしゃるのが分かる…



「お、おはようございます。秋庭さん…」





< 8 / 147 >

この作品をシェア

pagetop