ハツコイ

「…何それ。」




「えーと…これが1年B組の川北さんからのでしょ?で、こっちがD組の野沢さん。まあ俺的には、川北さんの方が可愛かったよ。」



俺の机の上に並べられた、手紙の数々。




タケルは何を言ってるんだ?




「それからこっちはなんと上級生から!2年生と3年生それぞれ一通ずつ。俺がお前と一緒にいるの知って、こうやって渡されんだよ。ラブレター。」




「ラブ…レター??」




今、ざっと名前言われたけどさ…




俺、全員知らない人だったけど。




なのに、ラブレター?



…俺に?




「積極的な女子だったら、自分から渡す奴とか、そんな紛らわしいことしないで直接告ってくる女子とかいそうだよな。」




そう言ったタケルの言葉は当たっていて…




面識ない女子から、次々とラブレターを渡されたり、いきなり告白されたりってのが、しばらく続いた。




気持ちはすっげえ嬉しいんだけど…





俺がほしいのは、たくさんのラブレターじゃない。





倉科柚奈のラブレターが欲しい。




倉科の隣の席で、毎回ラブレターを貰ってる俺のこと…




きみは、どう思ってる?


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