秘密の約束。

苦い青春。

おばちゃんはこう続けた。

「あたしは…
お父さんもだけど

睦月のお父さん、ひろし
お母さん、紀香
苺香のお父さん、卓志
お母さん、智子と

いつも遊ぶ仲良しグループだった───…」









高校二年の春。あたしたちは同じクラスになった。


「ねぇ、彰。また一緒のクラスだね!」

樋口あきこ、16歳。
後に遠藤となる。

「あ。ほんとだ!やったな」

あきことハイタッチする
遠藤彰はあきこと付き合って一年目。

ほのぼのカップルと噂されていた。

「あ、あきこ!」

あきこに声をかけたのは智子だった。

「あたしも一緒だよ!」

嬉しそうにはにかむ智子。その視線の先にはひろしがいた。

あきこにはすぐに智子の喜ぶ理由が自分ではなく

ひろしに向けられているものだと分かった。

ひろしも同じクラスだったのだ。
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