秘密の約束。
ポクポクポクポク……

お坊さんがお経を唱えて木魚を叩く。

あたしは黒い服に包まれて座布団の上に座ってた。


竹内先生は来てなくて少し安心。


明日はお葬式だ。



おばちゃんと最後のお別れ。

今でも目をつぶれば



あたしを引き取ってくれたこと
怒られたこと
ほめてくれたこと
心配してくれたこと





全部全部思い出せる。






なんでこんなことになったんだろうと

今でも思う。






だけど、あたしのお母さんが睦月のお父さんを好きになった時から


こうなる運命だったんだ。

そう、あたしはこうなる運命で生まれてきたの。

真実の過去を知ってしまってから何度も自分に言い聞かせてきた。


───だからもう悔いはない。
罪悪感は部屋に捨ててきた。






お葬式が終わったあとにあたしは実行する。
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