秘密の約束。
学校に着いた。
空気が変だ。
みんな顔をニヤニヤさせて苺香を見てる。

「あたしの机がない…。」

苺香がぼそっと言った。この前あれだけ言ったのに?
北村はなにを考えてるんだ?

北村はニヤニヤ笑ってる。あいつ…どこか頭おかしいんじゃないか?

「苺香……。」

俺が殴るならそれは簡単なことだ。
だけど苺香だったらそれではだめだと言うだろう。

だから
俺は行動に移せないでいる。
苺香は笑って「大丈夫」と言ったけど、俺には全然大丈夫に見えない。


「あたし机探してくる。」


苺香はものすごいスピードで走った。
俺はなにができる?

苺香のためにすることは…ここでじっと黙っていることなのか?





「ね…ねぇ!遠藤…苺香の机下にあるって伝えてきて…?あたしは…今言える立場じゃない…」

川崎が俺に机の場所を教えてくれた。
川崎は…苺香がいつもあーちゃんと呼んでいる女子だ。

「わかった」
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