おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜
もともと表情があまり変わらないタイプの水島くんだから、今何を考えているのか本当にわからない。

その後も会話はゼロのまま…
仕事は終わりの時間を迎えた。
もしかしてこのままスルーされてしまうのかな?なんて思ったりすると段々、苛立ちすら覚えてくる。
着がえを済ませてキッチンへ戻りバッグからマフラーを出した。
すると、水島くんもキッチンへ入ってきた。
今日初めて同じ空間に立ったと思う。

お礼と共に手渡したマフラーを水島くんが受け取ったので、わたしは早々とバッグを持ち

「おつかれさまでしたー。」

と、帰ろうとした。

「待って!こないだの返事!」

ドキッとした。
ゆっくり振り向いてちゃんと向かいあった。

避けていたのは…わたしだったのかもしれない。
振られる覚悟がまだできていなかった。
それでも、水島くんはキチンと伝えようとしてくれている。
だからわたしも、しっかり受け止める覚悟を決めた。
向き合った先、
水島くんとばっちり目が合って切なくて、やっぱり大好きで。
わたしは精一杯の笑顔で何度か頷いた。
言って大丈夫だよ。という意味を込めて。
そして水島くんが口を開く。


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