おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜

「おい、アイツそんな事言ってた？
アイツに言われたくないよなぁ？
アイツのが変だよな？」

「いや…笑」

「えっ？！オレのが変？」

「そうですね…笑」

まじかよ！と髪の毛を結び直す佐藤くんはやっぱりどこか変だ。
そして、口数が少ない割にこんな時ばかりわたしは失礼だなぁと思った。





「彼氏いんの？」

きた。きてしまった。
なんとなく予感はしていた。
でもいざ聞かれてしまったらあとは流れに任せ答えていくしか出来ないのがわたしだ。

「彼氏はいないです」

この空間では彼氏のいないわたし。が染み込みすぎていて自然になっている。
佐藤くんは、クリスマス近いのに寂しいじゃん。と言って自分も彼女はいないし恋もしていない、と言った。

イスにどかんと座ったままの佐藤くんはしっかり目を見て話す人だ。
だから次にされた質問も、しっかり目を見られていた。

「恋もしてないの？好きなやつとかは？」