おもかげlover...〜最上級に最低な恋〜

そんな風にわたしのヒトメボレの恋話で盛り上がっているとやまやまが出勤してきてしまった。
なんとなく、嫌な予感がしていたけど…それはあっさりと的中した。

「おつかれさまです」

と言ったわたしに″おう″と軽い返事をしたやまやまは、相変わらずふてぶてしくわたしの前を通ってキッチンの入口でタイムカードをおした。

キッチンの奥のイスに座りっぱなしの佐藤くんはニヤニヤしながらわたしに声を飛ばした。

「ヤマウラさんは知ってるの？」

って…。
やまやまを前にして。


わたしは目でその話はしないでー！と訴えるように無言で首を横に振った。
案の定、やまやまはわたしと佐藤くんのちょうど中心で２人を順番に見て
「なに？」とクールに言う。

こうなってしまったらもう隠しておけるわけもなく…
ニヤニヤしながら佐藤くんは

「好きな人がいるんだよね？」

とわたしを困らせた。

声に出さずに、コクリと頷いてみたけれど、なんとも言えない気まずさとドキドキに包まれる。