アッファシナンテ

本当に掴み所のない女だ。
金持ちのくせして残すなだなんて
貧乏くさい事を言うなんて。

いや、違うか。
貧乏くさい訳じゃないのか。
本物の金持ちだから弱者にも
優しくする事が出来るんだ。

金持ちという絶対的強者だから
弱者に感謝する事が出来るんだ。
俺とは違う。No.1になって小銭を
手に入れた成金みたいな俺とは違う。

生まれながらの金持ちで
生まれながらの優しさを持った
彼女だから目に映る全てものに
優しくする事が出来るんだ。

料理が届くと、彼女は本当に
美味しそうに食べていた。

見ているこっちが嬉しくなるくらい
ここのシェフに彼女の表情を
見せてあげたいくらい本当に
いい笑顔を浮かべていた。

遼「あんた、美味そうに食うのな。
あんたの所の料理人は幸せだな。」

こんな料理よりも絶対に
普段はもっと美味いものを
食ってるはずなのに
彼女の表情を見ていると
こんな女となら毎日一緒に
飯を食っても飽きないだろうなと思った。


< 100 / 540 >

この作品をシェア

pagetop