アッファシナンテ

花恋「何言ってるの?
あなたへのプレゼントを
あなたが払ってどうするのよ?」

春川「ですが、そのお金は
お嬢様が一生懸命働かれたお金です。
お嬢様のためにお使い下さい。」

花恋「私、ずっと決めてたの。
初めて貰ったお給料で
バッグを買った次は
春川にプレゼントするって。」

春川「え?」

花恋「あなたが執事になったのは
私が中学生の頃よね。
その時、あなたはまだ19歳だった。
その頃からずっと私の事を
本当に大切に思ってくれて
すごく、嬉しかったのよ。
気付けば、あなたとは
もう10年も一緒にいるの。
お父様のお金であなたに何かを
プレゼントするのは何だか嫌で
ずっと恩返し出来なかったけれど
ようやく恩返しが出来るわ。
私ね、自分の欲しいものって
ほとんど何もないのよ。
いつも欲しいものはすぐに
手に入ってしまうから。だから今
私が欲しいものは春川の笑顔よ。」
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