アッファシナンテ

~春川side~


お嬢様を乗せた車内は
しんと静まり返っていた。
私が執事になってから
車内がこんなにも静かだった事はない。

お嬢様は窓の外の景色を見たままで
いつものようにミラー越しに
こちらを見る事もなかった。

何を話そうか、そんな事ばかり
考えていた。

あと数分で屋敷に着く頃
お嬢様の小さな声が聞こえる。

花恋「いつから、あそこにいたの?」

春川「お嬢様の名前を呼ぶ
ほんの少し前ですよ。」
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