アッファシナンテ

花恋「昨日、彼の話を聞いて
私に出来る事は何なのか考えてみたの。
彼のお父様はある大会社の子会社に
勤めていて、粉飾決算をしている事を
知ったの。それを社長に伝えたら
突然、解雇されたそうよ。
それでも、彼のお父様は崎本さんを
育てるために再就職先を一生懸命に
探したけど見つからなかった。
彼のお父様は社会から
切り捨てられてしまったの。
意味が分からないわ。正しい事をした
彼のお父様は褒められるべきなのに。」

春川はじっと黙ったまま
私の話に耳を傾けてくれた。

花恋「その失意からお父様は
お酒に頼るようになった。
そのせいで彼はお父様からの
暴力を受けるようになった。
彼が私に別れを告げた理由は
私が切り捨てる側の人間だから。
そう彼に言われたわ。」

春川「そうでしたか。」
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