アッファシナンテ

違うんだって。全然違う。
俺とは真逆なんだってそう思った。

花恋「私が泣いた時、いつも
私のそばには誰かがいてくれた。
お遊戯会も運動会も文化祭も
お父様やメイドさんや執事
沢山の方が来てくれた。
いつも私の事を大切にしてくれる
お父様の言葉にどうして首を
縦に振ってはいけないの?」

金持ちだから貧乏だから。
そんな事じゃない。
感じ方が全然違う。
俺を含めたその他大勢が恨みを
持つことにさえ、花恋は
感謝する事が出来る。
そんな綺麗さが魅力的で
でも、不憫だった。

幸せの形が一つじゃないにしても
皆が幸せだと思う事を花恋は
幸せだと思えないんじゃないかと
心配になった。

歪んだ形を覚えてしまえば
もう後戻りは出来なくなる。
その後悔を俺は知ってる。
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