アッファシナンテ

遼「そんなの、あんたも
ずっとやってただろ。」

春川「私はお嬢様のお世話をする事が
仕事ですから。ですが、崎本様は
違います。少しくらい私に
頼ってくれてもいいのですよ?」

しばらくの沈黙の後、崎本様は言った。

遼「じゃあさ、1つだけ
あんたに頼みがある。」

息をたっぷり吸い込んだ
崎本様は淡々と言った。

遼「理由は言わない。
でも、俺は花恋と別れると思う。
多分、そう遠くはない日に別れる。
だから、その時はあいつの荷物
運んでやって。」

崎本様が何を考えているのかは
分からない。

だけど、頷く他なかった。

春川「かしこまりました。」

遼「ああ、悪いな。」

最後の最後まで何も話さない
崎本様の事が気になった。

...その日、私は全てを知った。
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