アッファシナンテ

春川「最後に一つだけいいですか?
崎本様が日本に戻って来られた時
お嬢様の身に変化が起こっていたとしても
それは仕方のない事だと諦めて頂けますか?」

遼「相変わらず回りくどいなあ。
花恋と付き合ったんだろ?」

春川「ええ。ですが、お嬢様には
崎本様のご病気の事も
渡米する事もお伝えしておりません。
そして、私はお嬢様にこうお伝えする
つもりです。崎本様は亡くなったと。
崎本様がいつこちらへ戻ってくるのか
そのメドが立たない以上、お嬢様に
期待を持たせるのは嫌だからです。
ご理解頂けますか?」

遼「執事とお嬢様の恋愛なんて
有り得ないんじゃなかったのかよ。」

春川「有り得ません。
ですから、私も決断致しました。
旦那様にお話し、許しを貰えなけば
私はお嬢様の執事を辞めます。」

遼「多分、花恋が許さないよ。
あんたが執事を辞める事。
俺の事は気にしなくていい。
あんたはあいつを幸せにしてやれよ。」

嫉妬なんてなかった。

清々しいくらいに俺は
この人と花恋の幸せを願っていた。
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