アッファシナンテ

春川「ですが、旦那様の好意に甘え
この屋敷に置いて頂いたというのに
恩を仇で返すようなマネをしてしまい
旦那様に合わせる顔がありません。」

旦那様は洋酒をグラスに注ぎ
それを一口飲んだ。

父「こんな事を言ってしまっては
不謹慎だろうがね、私は
花恋の恋人が花恋との別れを
選んでくれて良かったと
思ってるんだよ。彼がこのまま
健康な体で花恋とお付き合いをし
結婚なんて言い出されちゃ
適わないと思っていた所に
君があの話を持ってきてくれた。
私が、彼の治療に協力しようと
思えたのは、彼が花恋との
別れを選んだからなんだ。」

春川「そう...でしたか。」

父「花恋が知ったら悲しむだろうね。」

春川「いえ。お嬢様はきっと
旦那様のお気持ちを理解してくれます。
お嬢様はとてもお優しい方ですから。」
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